炎上上等〜だってアスペだもん

書きたいことを書き散らすだけ

VALUと税金

はじめに

 ボクは税務も法律も素人だよ。以下全部思いつきの適当だよ。昔書いて放置してたのを思い出したので、サービスも終了したけどまだ納税の時効じゃないし、せっかくだから公開するよ。

リンク

 こんなどこの馬の骨とも知らん奴の話よりまともな話が見たけりゃリンク先読んでね。というか、色々考えた結果、基本的には全部やまもといちろう氏の意見を肯定してるだけになってしまってるので、リンク先を読めば私の意見を読むまでもないさね。

あれ、贈与なんじゃねーの?

 まずはやまもといちろう氏による問題提起

lineblog.me

と、それに関する議論

togetter.com

いやもうさ、極論すれば賭博じゃね?

news.yahoo.co.jp

議論の前提

前提1:税金は払おう

 まず大前提として、日本では所得には課税されます。所得の発生方法や種類により、贈与税相続税所得税等が発生します。控除額、税率は様々ですが、2重に課税されることはありません。

  というわけで、「あれは贈与かどうか」という議論がなされておりますが、贈与じゃないとなったからといって税の支払いから免れるわけではありません。もちろん、各種控除がありますので、必ず払わなければならないというわけでもありませんが、あれは「税金を払う必要があるのかどうか」という議論ではありません。あくまで税区分がどうなるかという話です。

 それに加え、商取引とみなされた場合には消費税も関わってきます。

前提2:VAは(今のところ)金融商品ではない

 金融商品じゃないから各種金融関連法の縛りを受けず、手軽に資金を調達できるというのがVALUのウリです。と、VALU金融庁と協議した上でそう言ってるということなので、その前提で議論をすすめます。

前提3:BTC(ビットコイン)が財として認められている

 BTCという仮想通貨を使ってるからといって税金とは無縁だということにはなりません。むしろ財として認められているものなので、取引にBTCが使われているということは(途中に円換算が絡んで面倒なことを除けば)税務上はほぼ現金と変わりません。いわば外貨での取引と同じです。

 というわけでBTCから円転した時ではなく、VALU上の取引成立時が課税対象になります。円転した時に「為替差益」が生じた場合には、別途課税所得になります。BTC←→円取引での損益と、BTCを使ったVA取引での損益を混同しないように。
 VALUは全ユーザーに対し、取引成立時点、最低でもその日のどこかでのBTC←→円換算レートの情報を(参考情報として)提供するべきです。

 VAの売買 is 何?

 どのような税金がかかってくるかは、VAの売買が「贈与」なのかそれとも「『対価を得て行う資産の譲渡』となる商取引」かという一点にかかってきます。つまるところ、VAそのものにどの程度の価値があるのか(ないのか)ということです。

VA自体の価値≠売買額

 まず、VA自体にその売買されている額と同程度の価値があるのかどうかという点ですが、これはNOですね。VAが優待(の価値)を担保とした、それ単独で価値のあるものとみなした場合、いわゆる資産担保証券的なものになり、どう考えても金融商品となってしまいます。これは前提2から否定されます。
 実際、VALUがVA発行者に優待の提供を義務化してないのはこの辺にあると思います。VAがVALU内でのみしか取引できないことも合わせても金融商品とはみなせないかと。

VA自体に(十分な)価値があるのか

 さてここが本題。取引が贈与なのかどうかという点です。贈与なのかそうでないかは、結局、VA自体に社会通念上の商取引とみなせるだけの価値があるかどうかというところで決まります。

まずVALUは贈与じゃないw なぜなら、BTCの代りにVAを受け取るから。

VAは、反対売買可能です。贈与は、反対売買できません。

https://twitter.com/hirosetakao/status/898465928916201472

と言っている人がいますが、VA自体に全く価値がないとみなした場合、これは子供のいいわけです。実際上、あなたが優待が全くないことを前提としたVAを発行した場合(すなわちVA自体に全く価値がない場合)、そのVAを買う人はあなたにいわゆる投げ銭(=贈与)していることになります。その後、そのVAがどう取引されようと、あなたが投げ銭をしてもらったことに変わりは全くありません。

 というわけで繰り返しになりますが、VA自体にどの程度の価値があるのかというのがポイントです。で、これについてはどのような優待が提供されるかによって異なってくるのですが、特に明確な線引きをするのは難しいと思います。

贈与かな?

取引額に比して優待の価値が著しく低い場合、

通に対価となる役務もなしに資金が提供されるということは、純粋な贈与であって、国税庁にも問い合わせをしてみると「基礎控除額(やまもと註:110万円)を超える金額が移動した場合には、贈与税の対象となります」と明言されます。

やまもといちろう 公式ブログ - YoutuberヒカルさんのVALU事件、いろんな方面に延焼中 - Powered by LINE

 という話になります。

 で、これが最悪なのは、VAの新規発行に限った話ではないという点です。実際上、税務当局がそこまで無茶をするとは思えないですが、個々の取引それぞれが贈与とみなせます。個々の取引が課税対象となりうるのは前提で述べたとおりです。

 これが何を意味するかというと、1BTCでVAを買い、すぐに1BTCでVAを売ったとしても、「1BTC分の贈与を受けた」とみなせることです。この取引を10回繰り返すと、利益無しなのに「10BTC分の贈与を受けた」として贈与税を課されることになります。はげしく💩。体感的に納得する人はあまりいないと思いますが、それは無意識のうちにVA取引を商取引とみなしているからです。
 たとえば、鳩ポッポが親から2000万円贈与を受け、それを100人のお友達に贈与したとします(政治資金関連の法律は無視します)。鳩ポッポの手元には一円も残りませんが、だからといって彼が贈与税から逃れられるわけではありません(この例えは、先にお金を受け取りその後にお金を払ってるので、例えとしては不適切ですが、「収支」ではなく、「収入」に対して課税されるという点では一緒です)。

  ちょっと毛色が違いますが、公営ギャンブルでの「収入」が一時所得として課税されるのと似ているかも知れません。公営ギャンブルは、胴元がガッツリ持っていくので収支として黒字になる人は少ないと思いますが、あれは、収支がマイナスでも「収入」に応じて所得を申告する必要があります。ただし、これを業として行ったので購入馬券を経費として認めて欲しいという裁判があったのは有名ですね。たしか裁判でその訴えが認められたので、VA自体に価値を認めなくても、業として頻繁に取引した場合には雑所得、または事業所得としてみなせる場合もあるかも知れません。

譲渡所得じゃないの(株と損益通算できないの)?

 VAの売買はC2Cの商取引であり、贈与じゃないとしましょう。それでも譲渡所得というのは無理筋です。

 まず、贈与税じゃない場合、収入に対して所得税が課されることに異論はないと思います。で、その課税区分ですが、「譲渡所得としてみなされるものはこういうものだ」というのは明確に決まっています。株式(やゴルフ会員権、絵画等の美術品)ではないVAがそこに当てはまらないのは当然です。
 色々な法で定められた各種課税区分にどれも当てはまらない所得は雑所得になります。というわけで、所得税が課される場合、雑所得とみなされると考えるのが妥当かと思います。これはFX等による所得も雑所得として申告しろと指導されてる現状からして当然かと。
 どっかの税理士が譲渡所得になるという見解を示したようですが、それはVAがゴルフ会員権レベルの資産価値を持つとみなすことになります。これは既に述べてきたとおり、あり得ない解釈です。